歴史の糸を紡ぐ

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先代からいただいたもの


ゲームをしている三代目からPCをやっと借りられた

嫁です。

 

なかなかPCを解放してくれません(怒)

運動嫌いの引きこもり気味。

肥満児認定をされ心配しております…

 

さて、新店舗にて営業を始めて数日です。

大きな看板があるわけでもなく

嫁が壁に磁石で作った「かづみ寿し」だけなので

ほぼ常連のお客様が足を運んでくださっています。

 

お店が新しくなって、何もかも変わったように見えますが

大事なものは持ってきています。

そう、氷のづけ台と、カウンター。

両方、建具屋さんに出して、カウンターは削り

づけ台は修理をしていただきました。

 

カウンターを修理に出す際、建具屋さんが

旧店舗に取りにきてくれはりました。

ちょっと難儀しそうやなって思っていたところ

なんと、大きな一枚板がスポッと抜けたんです。

 

店主が言っていました。

先代が、お金に困ったらカウンターを売ったらええって

少しは足しになるって言うてたって。

 

先代が店を始めた昭和30年代は、まだまだ木材が

高価やったと思います。

今でもカウンターの木を探そうと思うと

数十万はくだらないと言われます。

一枚板って高価なんですね。

(寿司用のまな板でさえ、数十万の見積もりですもん)

 

スポッと抜けるようにしたんは

お金に困ったら売ってその場をしのげるようにっていう

先代と、大工さんの気持ちやったんでしょう。

その位、覚悟をして商売をしてたんやって思いました。

 

私は月給をいただいている会社員です。

でも寿司屋の嫁です。

私が仕事を続けることで店主を少しでも

ささえていけたらええなって思います。

 

嫁は先代が亡くなってから嫁いできました。

もし伝えられるとしたら、こうお伝えしたい。

「店主は私が支えます、安心して下さい」って。

先代のカウンターを下支えする棒になろうと。

見える柱は女将が役割を果たすので

嫁は小さな棒で精一杯。

それでも少しは支えになりますよ。

 

店の歴史の糸を紡いでいきたい。

これからもずっと。